2013年6月号(Vol.12)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
6月号(Vol.12)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
宇治茶の郷から、お茶ファン必見の新茶情報をお送りします。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催
 【2】全国茶品評会に向けた茶摘み・製造が最盛期
 【3】宇治茶歴史街道ウォークを実施
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… 品評会情報 ………………………………………………………………………
 ○各生産地の茶品評会

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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第8回 小山茂樹さん
  「宇治茶伝道師」
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トピックス

【1】「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催


 5月2日(木)、宇治茶会館、茶業センター茶園及び京都府茶業研究所において「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催され、約3,000人の方に御参加いただきました。

 宇治茶会館・茶業センター茶園では、自然仕立ての玉露茶園での茶摘み体験や美味しいお茶の淹れ方教室、ホットプレートによる簡単な製茶体験など、茶業研究所では煎茶園での茶摘み体験や宇治茶の手もみ体験、試験茶園・製茶工場の見学・説明などが行われたほか、来場者には新茶のふるまいも行われ、新茶の季節にふさわしいイベントとなりました。

 また、オープニングセレモニーでは、今秋、15年ぶりに京都府で、59年ぶりに宇治市で開かれる全国お茶まつりのキックオフ宣言が、京都府知事により行われました。

【2】全国茶品評会に向けた茶摘み・製造が最盛期

 今年は、京都府で全国お茶まつりが開催されますが、一番茶の茶摘みや製茶は4月下旬から始まり、5月に最盛期を迎え、6月上旬まで続きます。

 4月下旬から5月中旬にかけては露天園で栽培される煎茶、5月中旬頃からは、覆下園で栽培される玉露、かぶせ茶、抹茶の原料であるてん茶が中心となります。

 この時期、山城地域の茶生産農家は、連日早朝から夜遅くまで、茶摘みや製茶などの作業に取り組みます。

 また、特に茶の新芽の生育期の霜は、茶の新芽に大きなダメージを与えるため、覆いをかけたり防霜ファンを用いるなどの対策が欠かせません。

 品評会で上位入賞を目指す茶農家は、高品質な茶に仕上げるため、一般的には機械で刈り取る茶摘み作業を、大勢の人、いわゆる「摘み娘さん」の協力を得て手摘みで行い、丁寧に製茶していきます。

【3】宇治茶歴史街道ウォークを実施


 これまで、宇治茶の郷づくり月間(10月~11月)を中心に実施してきた「宇治茶歴史街道ウォーク」を、桜や新茶の季節にもという地域団体の要望を受けて、今年から春の4月~5月にも実施しています。

 5月19日(日)には、和束町で、和束・茶源郷ガイドの会の主催により、『茶摘み体験「茶源郷」体感ウォーキング』を実施しました。ガイドさんの案内により、八坂神社の大杉や安積親王陵墓(あさかしんのうりょうぼ)など和束町の名所をウォーキングした後、新茶の天ぷらなどが入った特製弁当(希望者)をいただきました。

 午後からは、雨が降る中ではありましたが、茶摘み体験をしていただき、茶園の風景のすばらしさや茶摘み体験の楽しさに、参加された皆さんは大満足されました。

品評会情報

 5月を中心に摘採、加工された宇治茶の味、香り、色などの品質を競う「茶品評会」が、各生産地ごとに開催されます。

○6月4日(火) 第36回八幡市茶品評会
○6月6日(木) 第38回宇治田原町茶品評会
○6月11日(火)第40回城陽市茶品評会
○6月13日(木)第46回宇治市茶品評会
コラム「茶の記憶」 第8回


 宇治茶伝道師である小山茂樹さんに、今回は、「宇治茶伝道師」と題したコラムをお寄せいただきました。

「宇治茶伝道師」小山 茂樹

 おそらく昭和の時代までは家族の皆が「茶の間」に集い、団らんの中心にはお茶がありました。急須で茶を淹れるのは家長の役目、うんちくを聞きながら、知らずしらずのうちに茶の美味しさと家族のつながりを感じたものです。ここには茶が伝える伝統と文化がありました。茶の間の衰退はペットボトル茶の台頭と符号します。初めてペットボトル茶が売り出されたとき、茶業者はこれで清涼飲料水から緑茶に需要を取り戻せると歓迎しました。事実その通りになりましたが、逆に急須でお茶を淹れていた人までが徐々にペットボトル茶へ流れ、一部はそのまま戻ってこなくなりました。消費者は利便性を求め、茶業者の危機感はつのります。

 宇治茶は日本緑茶を代表するといっても過言ではありません。京都府では昨秋10月『宇治茶伝道師』を認定し、宇治茶が持つ魅力を発信することになりました。
◇宇治茶の美味しい淹れ方や歴史・文化が語れる、◇茶の栽培や製造の知識に精通している、◇他の生産者や茶業者の模範と認められる、などの認定基準から7人の伝道師が知事の委嘱を受け、広報活動を開始しています。日本茶は保健飲料として世界で人気が高まりつつあるなか、昨秋はパリとロンドン、今春はニューヨークで開かれた日本茶教室に伝道師が交替で参加。抹茶をはじめ、宇治茶の美味しい淹れ方を実践で紹介し、好評を博しました。

 京都府では昨年7月、宇治茶の世界文化遺産登録に向けての検討委員会を設置しました。国の重要文化的景観に選定された宇治市の茶問屋街や、覆下茶園の景観、日本人の精神文化を育んだといわれる茶道文化も含めて、国内候補地の暫定リスト入りを目指しています。飲み物と産地が世界遺産に登録されている例では、フランスのボルドーワインや、キューバのコーヒー農園があって、宇治茶が仲間入りするには乗り越える課題が山積です。

 日本緑茶、中国ウーロン茶、インド紅茶は「世界三大茶」とされ、それぞれが伝統と文化を育んだ飲み物です。宇治茶伝道師は活動の先に世界遺産登録を見据えながら、宇治茶を通じ日本緑茶の発展を期して活動しています。

 次回からは、日本茶インストラクター協会理事で、著書「抹茶の研究」により、昨年、宇治市主催の「第22回紫式部市民文学賞」を受賞された桑原秀樹さんに執筆いただく予定です。

 どうぞ、お楽しみに。

コラムここまで
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 □ 発行日 : 2013年6月1日
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