2015年3月号(Vol.33)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
3月号(Vol.33)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
春の訪れを感じる宇治茶の郷より、ほっと和む宇治茶情報をお届けします。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】「春の大茶会『わくわく!ドキドキ!春の宇治茶フェスタ』」が開催
 【2】「全国玉露のうまい淹れ方コンテスト大会」京都府予選会が開催
 【3】「京都府茶品評会」及び「京都府優良品種茶園品評会」
    褒賞授与式等が開催
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… 日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて ……………………………………
 【1】「宇治茶マル旅(仮称)・宇治茶マルシェ(仮称)」
    ワークショップが開催
 【2】「宇治茶未来づくりワークショップin南山城村」が開催
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第29回 小山茂樹さん
  「茶香服」について
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トピックス

【1】「春の大茶会『わくわく!ドキドキ!春の宇治茶フェスタ』」が開催

 今年で10回目を迎える「春の大茶会『わくわく!ドキドキ!春の宇治茶フェスタ』」を2月7日(土)、宇治茶会館、茶業センターで開催し、約2,000人の参加者で賑わいました。

 当日は、宇治茶の様々な種類を飲んで、茶種を当てていただく「宇治茶飲みくらべクイズラリー」、自分で点てた抹茶にオリジナリティ溢れる作品を描く「抹茶アートコンテスト」、『抹茶の研究』の著者である桑原秀樹氏による講演会、宇治茶の手もみ体験など、宇治茶づくしの1日となりました。

 また、併せて開催された第2回大学対抗茶香服リーグ(京都府茶業連合青年団主催)では、京都府内を中心とした13大学と木津高等学校が参加し、5種5煎の聞き茶対決を行い、団体の部で京都府立大学が優勝しました。

【2】「全国玉露のうまい淹れ方コンテスト大会」京都府予選会が開催

 「全国玉露のうまい淹れ方コンテスト大会」京都府予選会が1月31日(土)、京田辺市社会福祉センターで開催。

 本大会は日本茶の最高級品である「玉露」に親しんでもらうことを目的に開催し、今年で第9回目を迎えますが、今回初めて京都府予選会を開催することとなりました。

 当日は、11歳から82歳までの男女30人が参加し、宇治市在住の小嶋秀子さんが優勝し、3月15日に福岡市博多区の聖福寺で開催される全国大会に参加されることとなりました。

 全国大会での優勝を期待しています!

【3】「京都府茶品評会」及び「京都府優良品種茶園品評会」
   褒賞授与式等が開催

 「第32回京都府茶品評会」及び「平成26年度京都府優良品種茶園品評会」褒賞授与式が2月13日(金)、宇治茶会館で開催。

 本品評会は、府内各地で生産される茶の特質を明らかにし品質向上を図り、優良品種茶園化による地域特性を活かした栽培技術による良質茶の生産を高め、宇治茶の産地銘柄の一層の向上や茶業経営の安定化と府の茶業振興を図ることを目的に実施されています。

 今回、各品評会で入賞された方々に対し、農林水産大臣賞、京都府知事賞、大会会長賞等が授与されました。

 また、午後からは、同会場で「平成26年度茶業研究所研究報告会・宇治茶生産振興研修会」も開催。

 宇治茶の生産振興を図るため、海外への輸出を取り巻く状況、技術対策に加え、茶栽培の軽労化、品質向上や、宇治茶のルーツに関わる研究紹介をテーマに報告会及び研修会が実施されました。

日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて

【1】「宇治茶マル旅(仮称)・宇治茶マルシェ(仮称)」
   ワークショップが開催

 「日本茶のふるさと『宇治茶生産の景観』」を世界文化遺産にするための活動として、地域の魅力を活用したツアー(ちーたび)や販売会(ちーびずマルシェ)のノウハウを生かして、宇治茶の産地を満喫できるガイドツアー「宇治茶まる旅(仮称)」、宇治茶の産地の特産品を集めた販売会「宇治茶マルシェ」に係るワークショップを開催。

 ワークショップには、茶農家・日本茶インストラクター・ガイド・住民・観光客などさまざまな立場の方が集まっていただきました。

 2月4日、16日及び3月3日の3日間でガイドツアーとマルシェの具体的内容や実施方法を決定し、3月中にそれぞれ施行予定です。

 『日本茶のふるさと「宇治茶生産の景観」』を世界文化遺産登録に目指して宇治茶の魅力を多くの方に伝えていければと考えています。

【2】「宇治茶未来づくりワークショップin南山城村」が開催

 南山城村の茶畑景観(高尾、今山、田山、童仙房)が京都府景観資産に登録されたことを受け、「宇治茶未来づくりワークショップin南山城村」を、2月19日(木)にやまなみホールで開催。

 当日は、地元の茶生産農家の方など、25名の方が参加され、「茶畑が広がる美しい里山を活かした村づくり」(茶畑コンサート、田舎暮らし体験プログラム)や「地域の魅力を活かしたツアーづくり」等について、熱心に話し合いをされていました。

コラム「茶の記憶」 第29回


 前回まで4回にわたり、京都光華女子大学非常勤講師((公社)京都府茶業会議所理事 等)の橋本素子さんにコラムを掲載いただきました。

 今月からは、宇治茶伝道師の小山茂樹さんにコラムを御紹介いただきます。

 今月は、「茶香服」という題目でコラムをお寄せいただきました。

「茶香服」について 小山 茂樹

 茶香服と書いて「ちゃかぶき」と読みます。当て字なので、ルビをふらないと普通は読めません。

 茶香服とは何種類かのお茶を飲んで産地や銘柄を当てる遊びで、そのルーツは室町時代初め中国から渡来した「闘茶(とうちゃ)」の遊技にまでさかのぼります。当時の茶産地(抹茶)は京都栂尾とそれを分植した宇治でした。本家栂尾の茶を「本茶」、宇治の茶は「非茶」と区別され、闘茶はこの本非を当てるもので「本非茶勝負(ほんひちゃしょうぶ)」とも言われました。闘茶が流行するに伴い、それまでの僧侶の修行茶であったものが、貴族や武士の間に広まっていきましたが、茶会とともに酒宴や博打を催したりしたので、やがて「建武式目」にみられるように禁制の対象になってしましました。

 「傾く(かぶく)」という古い言語があります。今ふうに訳せば「熱中する、おたく」という意味になるでしょうか。江戸時代に歌や舞に傾いて「歌舞伎」が生まれ、茶好きが高じて「茶歌舞伎(ちゃかぶき)」という言葉が生まれました。この頃は抹茶だけでなく、煎茶も広く庶民の嗜好の対象になってしまいました。喫茶の楽しみは先ず香り、茶業者が茶の善し悪しを判断するのも香気です。資料から判断して明治初め頃から使われたようです。

 ところで、山城の小学校では3年生の社会科で地場産業の茶を学びます。その中に茶香服を取り入れている学校もたくさんあります。子どもの頃から茶が持つ繊細で微妙な香りの違いを体験することは大切で、また幼少期に茶本来の苦み渋みに接しておくことは、将来お茶好きになるかどうかを決めると思います。現在、「食育」の重要性が叫ばれていますが、日本の伝統食「和食」が世界無形文化遺産になった一方で、懐石をうたう料理にコーヒーが出されたりすることがあります。「飲食」という言葉があるように、飲と食は並んでこそ大切であり、食育とともに飲む教育「茶育(ちゃいく)」を是非真剣に考えてほしいと思います。宇治市内の小学校では蛇口から茶が出るように、先生方の日々の努力には頭が下がります。国民的飲料が育たない国は不幸だと言えるでしょう。

 茶香服の基本は香りです。参加者のマナーとして香水やタバコの匂いは厳禁だし、茶配手は茶碗についた口紅に苦労します。お隣と相談したり世間話をしながら、和気あいあいと茶香服を楽しんでほしいものです。

コラムここまで
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 □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/
 □ 発行日 : 2015年3月4日
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