2013年12月号(Vol.18)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
12月号(Vol.18)
こんにちは、宇治茶太郎さん。
宇治茶の郷から冬にもほっこりできる宇治茶の情報をお送りします。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 第67回全国お茶まつり京都大会
 ○第67回全国お茶まつり京都大会「宇治茶の魅力発信イベント」を開催
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… スイーツ情報 …………………………………………………………………………
 ○『京都やましろスイーツパスポート』を発行
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… 日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて ……………………………………
 ○日本茶のふるさと「宇治茶生産の景観」広域調整会議開催
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第14回 小山茂樹さん
  「茶と柿」
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トピックス

第67回全国お茶まつり京都大会
○第67回全国お茶まつり京都大会「宇治茶の魅力発信イベント」を開催


 11月16日(土)から17日(日)の2日間、第67回全国お茶まつり京都大会実行委員会主催、宇治イベントネットワークの実施・協力により、「宇治茶の魅力発信イベント」を開催しました。

 2日間とも好天に恵まれ、16日が51,000人、17日が36,000人もの方にお越しいただき、「宇治茶でのんびりまち歩き」を楽しんでいただきました。

 駅では、宇治茶「水出してん茶」のおもてなし。普段手に入らないてん茶の味に、「甘い、おいしい」などの感想が聞かれました。

 また、宇治茶の手もみの実演を実施。中には、手もみ体験を楽しむ方の姿も見られました。

 茶産地のご当地キャラによる「全国お茶まつり応援団」の登場では、多くのお子さんが記念撮影を撮るなど楽しんでいました。

 市役所での「ほんまもんの宇治茶を味わう」では、抹茶、玉露とも絶えず行列ができるほどの盛況ぶりでした。

 聞き茶巡りでは、オリジナル巾着に入れた湯呑みセットがお昼頃には完売するほどの人気ぶり。

 再現「名水汲み上げの儀・宇治茶行列、口切りの儀」では、伝統行事を見ようと大勢の人が集まっていました。

 ほうじ茶体験や石臼体験など5種類の体験ができる「宇治茶まるごと体験ウォーク」では、各体験コースがいずれも行列ができるにぎわいぶりでした。

 このほか、事前申込みによる平等院鳳凰堂保存修理工事現場の特別見学では、7回に分けて20人ずつが訪れ、京都府文化財保護課職員からこの時期にしか見られない修理についての説明に熱心に耳を傾けていました。

 17日夕方には、京阪・JRの宇治駅前で府警音楽隊による特別演奏会が行われ、大勢の観客が見守る中、2日間のおまつりは幕を閉じました。

スイーツ情報

○『京都やましろスイーツパスポート』を発行

 京都府山城広域振興局では、山城地域の飲食店や商店、市町村、商工会議所・商工会、観光協会等と連携・協力し、宇治茶スイーツに代表される「ご当地スイーツ」を通して、山城地域の元気なまちづくりに資するため『京都やましろスイーツパスポート』を発行しました。

 パスポートを呈示していただくと割引等の特典が受けられるスイーツの紹介と特集記事が掲載されています。

 以下の「京都やましろ観光」サイトからパスポートをプリントアウトするか、携帯電話(スマートフォン)のサイト画面の呈示でも割引等の特典利用ができます。

 この機会にぜひ、山城地域の「ご当地スイーツ」を味わってみてください。

「京都やましろ観光」サイト
http://www.pref.kyoto.jp/kyotoyamashiro/sweets_passport.html

日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて

○日本茶のふるさと「宇治茶生産の景観」広域調整会議開催

 11月19日(火)、京都府山城広域振興局において、宇治茶の世界文化遺産登録に向け、京都府や関係市町村、京都府茶業会議所、JA京都やましろによる第1回目の「広域調整会議」が開催されました。

 この会議では、文化的景観などの選定や景観計画・景観条例の制定に向けた取組の円滑化のため、市町村間の連携を図るほか、学識者によるサポートチーム(アドバイザリーボード)が市町村に助言・指導する仕組みも設定しました。

 また、この日は、サポートチームのひとりで「宇治の文化的景観」などにも関わってこられた京都工芸繊維大学清水重敦准教授が講演を行い、「文化的景観は、人間が自然に働きかけることにより成り立つ景観で、視覚的な美とは異なる」といった説明がなされました。

コラム「茶の記憶」 第14回


 今月は、宇治茶伝道師の小山茂樹さんに「茶と柿」と題したコラムをお寄せいただきました。

「茶と柿」 小山 茂樹

 当家の屋号は『山政(やままさ)』ですが、明治の初めころは別名『渋政(しぶまさ)』とも呼ばれていました。本業の製茶卸に加えて副業として柿渋を扱っていたからで、分かりやすいようにお客様が使い分けたのでしょう。茶と柿には古くから密接な関係がありました。茶農家は茶畑の畔に柿を植え、初夏の茶摘みと晩秋の柿採り、それぞれの収穫期の違いを利用して、少しでも収益を上げようとしていました。現在でも在来茶園の側に柿の木が残っていたり、柿畑を別に経営している茶農家があるのはその名残です。

 ここでいう柿は渋柿のことで、「柿渋(かきしぶ)」を採るのが目的でした。渋は澄んだ清酒を造るのに欠かせない添加物でしたから、伏水に近い宇治はそれなりの需要がありました。また、和傘や提灯など、和紙を使った製品の塗料として京の町でも重宝されました。しかし何より渋が必要とされたのは、製茶道具への利用です。茶を乾かす焙炉(ほいろ)の助炭(じょたん)、茶箕やボテ、茶袋の塗料として欠かせないものだったからです。

 渋は、素材和紙の補強や防腐防水に大きな効果があります。また、塗面は茶葉がよく滑って扱いやすくなるという利点があり、茶袋に用いられました。今でも一部の番茶袋に渋が塗られています。ただ、渋はあの強烈な臭いが特徴です。茶とは相性が悪いと考えるのがふつうですが、意外とそうではありません。茶を渋袋に入れておいても香気に変わりはなく、むしろ味はまろやかになるのです。亡父はこの事実に気付き、茶と渋の研究をしていましたが、その相関を見つけることはできませんでした。

 柿と茶の葉は伸育状況がよく似ています。宇治には『雀の葉隠れ、カラスの葉隠れ』という言葉があって、茶園に覆いをするタイミングを教えています。柿の木に止まる雀が葉陰に隠れるようになると葦簀(よしず)を広げ、やがてカラスの体が隠れるようになると藁(わら)をふきます。茶園の側の柿の木はさまざまなことを教えてくれます。

コラムここまで
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 □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/
 □ 発行日 : 2013年12月2日
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