2017年6月号(Vol.60)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
6月号(Vol.60)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。

みずみずしい木々のようにフレッシュな宇治茶情報をお届けします。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】日本遺産に「宇治市・小倉地区の茶畑」が加わりました!
 【2】「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」が盛況に開催されました!
 【3】一番茶の茶摘み・製造が最盛期を迎えています!
 【4】「茶品評会」が各生産地で開催されます!
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… 「お茶の京都博」特集……………………………………………………………
 ○近日開催予定のイベント紹介!
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第56回 桑原秀樹さん
  「アメリカと日本茶」第4回
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トピックス
【1】日本遺産に「宇治市・小倉おぐら地区の茶畑」が加わりました!


 日本遺産(Japan Heritage)は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを、文化庁が認定する制度です。

 日本遺産の第1号として平成27年度に認定された「『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城~」に、宇治市・小倉地区の茶畑が追加認定されました。

 「お茶の京都」12市町村全てを対象エリアに含み、構成文化財は計33件になりました。

「『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城~」のストーリー


 京都・山城は、「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出し、「茶の湯」をはじめとする日本の喫茶文化を支え、リードしてきました。また、現在も残る茶畑・茶問屋街・茶工場・茶ゆかりの寺社などから、その文化を目にし、辿ることのできる唯一の地域で、まさに「日本茶のふるさと」です。

宇治市・小倉地区の茶畑

玉露発祥ともいわれる地域で、伝統的な本簀ほんずによる覆下おおいした茶園があります。棚の骨組みを丸太と竹で組み、その上を葭簀よしずで覆うなど、天然素材を使用し、伝統的な技法を伝える茶園です。

【2】「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」が盛況に開催されました!


 5月2日(火)、宇治新茶の本格的生産を迎える八十八夜に、「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」を宇治茶会館・茶業センター茶園で開催しました!

 天候にも恵まれ、約3,500人の方にご来場いただきました。

 玉露茶園での茶摘み体験や宇治茶の手もみ体験、美味しいお茶の淹れ方教室、ホットプレートによる簡単な製茶体験のほか、新茶もふるまわれ、宇治茶の魅力を堪能していただけるイベントとなりました♪

【3】一番茶の茶摘み・製造が最盛期を迎えています!


 一番茶の茶摘みや製茶は4月下旬から始まり、5月に最盛期を迎え、6月上旬まで続きます。

 4月下旬~5月中旬は露天園で栽培される煎茶、5月中旬頃からは覆下園で栽培される玉露・かぶせ茶・抹茶の原料となるてん茶が中心となります。

 この時期、山城地域の茶生産農家は、連日早朝から夜遅くまで、茶摘みや製茶などの作業に取り組みます。

 4月28日(金)に開催された「平成29年度茶産初市」では、出荷数量が昨年より約2.4倍増え、品質も高く評価されていました。

【4】「茶品評会」が各生産地で開催されます!


 5月を中心に摘採・加工された宇治茶の味・香り・色などの品質を競う「茶品評会」が各生産地で開催されます!

- 6月1日(木)八幡市茶品評会
- 6月6日(火)城陽市茶品評会
- 6月15日(木)宇治市茶品評会
- 6月23日(金)宇治田原町茶品評会
※会場は宇治田原町のみJA京都やましろ宇治田原支店、それ以外はJA全農京都茶市場

「お茶の京都博」特集
○近日開催予定のイベント紹介!


≪センターイベント≫
日本遺産サミット(7月1日(土)・2日(日) けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK))
・全国の50を超える日本遺産認定ストーリーが大集合!日本の名所を一度に楽しめる観光見本市です。
・各地のご当地グルメが味わえるグルメブースも!
☆詳しくはこちら

≪市町村イベント(UJI-CHA Fair 2017)≫
梅の郷青谷づくり里山部会 ホタル観察会(6月10日(土)20:00~21:00 JR山城青谷駅前集合)
・青谷川流域に飛翔する源氏ホタルや青谷の里山に生息するホタルの観察会です!
梅の郷青谷づくり里山部会 水生生物観察会(6月11日(日)9:30~14:00 ヴィラ城陽)
・豊かな自然あふれる青谷川に生息する昆虫を採取して顕微鏡で覗いたり、親子揃って里山の一角でお弁当を食べたり、自然の素晴らしさを感じられるイベントです!
☆詳しくはこちら

コラム「茶の記憶」 第56回


 今月も、NPO法人日本茶インストラクター協会元副理事長兼関西ブロック長の桑原秀樹さんにコラムをご紹介いただきます。

 今月は、「アメリカと日本茶 第4回」というテーマでコラムをお寄せいただきました。

「アメリカと日本茶」第4回 桑原秀樹

1.日本茶業はペリーによって始まった。

エ、「揉切り法(もみきりほう)」と「転繰り法(でんぐりほう)」

 永谷宗円の創製した「宇治製」は「揉切り法」でした。現在のような木枠助炭は無く、紙助炭の下も竹の渡し棒でした。ペリー来航以降、茶の輸出が始まり、輸出用の茶が多量に必要になってくると、空中で両手を合わせて揉む「揉切り法」では間に合わなくなってきました。

 そこで、宇治では安政年間に木枠の底に焙炉紙を貼った木枠助炭が開発され、竹の渡し棒の代わりに、鉄製の渡し棒が開発されました。これによって、両手を合わせて空中で揉むのに加えて、体重をかけて手と助炭で茶を揉むことが可能になりました。

 新芽を蒸すために使用する釜もそれまでは普段に使う平釜を利用してきましたが、安政になって宇治郡木幡村の松尾清之丞の祖父である松尾主膳が底の深い「鶺鴒釜(せきれいがま)」を開発して、豊富な蒸気で長時間蒸せるようになりました。この鶺鴒釜はボイラーがいきわたる昭和戦前まで使われました。

 明治維新前後には、静岡など全国各地の茶産地では「宇治製法」を学ぶため、先進地であったの宇治や近江や伊勢から焙炉師を招いて宇治製法の伝習を行いました。特に輸出茶の中心地である静岡では明治元年から20年にかけて色々な手揉み手法が興ります。その手法の中で一番影響の大きかった手法は明治17年、榛原郡川崎町の橋山倉吉があみだした「転繰り揉み(でんぐりもみ)」でした。

 明治中期の静岡では20を超える手もみ流派が起こりましたが、大きく区分すると宇治の「揉切り」を主とする流派と静岡の「転繰り」を主とする流派に分かれます。この色々な手揉み流派を統一しようと試みたのが大林雅也で、明治38年に「揉切り」と「転繰り」を統合した「三十八年式製法」を策定します。現在全国各地で行われている「手揉み製茶保存会」の手揉み製法の基礎はこの「三十八年式」です。現在京都で行われている「宇治製法」は、宇治の「揉切り」製法を基礎として、静岡方式の「転繰り」と伊勢水沢村発祥の「板擦り(いたずり)」を組み合わせた製法です。(続きは次回に回します。)

本文ここまで
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 □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/
 □ 発行日 : 2017年6月1日
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