2020年6月号(Vol.96)HTMLメール

宇治茶の郷メールマガジン
6月号(Vol.96)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。

八十八夜も過ぎ、新茶を目にする機会も増えてきました。
新茶を飲むと1年間無病息災で過ごせるとも言われています。
体にも心にも効く宇治茶を飲んで、夏を迎える準備をしましょう。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】日本茶アドバイザー、日本茶インストラクターの資格取得に向けた
    通信教育講座が開講しています!
 【2】一番茶の茶摘み・製造が最盛期を迎えています!
 【3】アプリ版「「日本茶800年の歴史散歩」を巡るサイクリングマップ」で、
    おでかけ気分を味わってみませんか?
 【4】今回はトピックスとしてお茶の分類について紹介したいと思います!
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第92回 橋本素子さん
  宇治茶のエンドユーザーたち
   ~頼山陽と御茶所「美濃部忠兵衛」(4)~
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トピックス
【1】日本茶アドバイザー、日本茶インストラクターの資格取得に向けた通信教育講座が開講しています!


 NPO法人日本茶インストラクター協会の日本茶インストラクター認定制度とは、日本茶に関する知識や技能、インストラクション技術を身につけ、日本茶文化の発展及び日本茶の正しい理解と普及を指導できる者を認定することを目的に、1999年に制定されました。

日本茶アドバイザー(初級)
 日本茶に対する関心があり、消費者への助言や、日本茶インストラクターのアシスタントとして適格性を備えたアドバイザーを認定しています。
 通信講座では、約3ヶ月~4ヶ月(標準学習期間)の「通信学習」と、講師が直接指導する「実技講習会(1日)」があり、これらを修了すると日本茶アドバイザー認定試験の受験資格を取得することができます。
 なお、今年度につきましては、通信講座のみの開講となっておりますので、ご注意ください。
開講期間:2020年4月15日~8月1日の各月1日・15日
(各月1日・15日の開講日は通信教育の教材が届き、受講を開始する日です。)
講座受付期間:2020年4月1日~7月下旬
認定試験受付期間:2020年8月1日~8月31日
試験日程:2020年11月8日

日本茶インストラクター(中級)
 日本茶に関する専門的な知識や技術を持ち、消費者や初級指導者を指導する適格性を備えた者を認定しています。
 通信講座では総合的、系統的な学習を目的とした科目構成であり、約4ヶ月~6ヶ月(標準学習期間)で専門的な知識、技能、インストラクション技術を身につけることができます。修了基準に達すると申請により日本茶アドバイザー資格を取得することができます。
開講期間:2020年4月15日~10月1日の各月1日・15日
(各月1日・15日の開講日は通信教育の教材が届き、受講を開始する日です。)
講座受付期間:2020年4月1日~9月下旬
認定試験受付期間:2020年9月1日~9月30日
試験日程:第一次試験〔筆記試験〕2020年11月8日
     第二次試験〔実技試験〕2021年2月7日

 通信教育講座では、どこでも自分のペースで効率良く学ぶことができます。認定試験は年に1回ですので、2020年度内に認定試験を受験する場合は、7月頃までに受講を開始されるのがお勧めです。日本茶の普及に取り組んでみませんか。

○受講申請等、詳細についてはコチラ!をご覧ください。

【2】一番茶の茶摘み・製造が最盛期を迎えています!


 一番茶の茶摘みや製茶は4月下旬から始まり、5月に最盛期を迎え、6月上旬まで続きます。4月下旬~5月中旬は露天園で栽培される煎茶、5月中旬頃からは覆下園で栽培される玉露・かぶせ茶・抹茶の原料となる碾茶が中心となります。この時期、山城地域の茶生産農家は、連日早朝から夜遅くまで、茶摘みや製茶などの作業に取り組みます。

 5月~6月にかけて宇治茶の新茶が出回りますので、是非、お楽しみください。

【3】アプリ版「「日本茶800年の歴史散歩」を巡るサイクリングマップ」で、おでかけ気分を味わってみませんか?


 「お茶の京都」山城エリアの茶畑や茶問屋街、お茶にゆかりのある社寺等は、「日本茶800年の歴史散歩」として日本遺産に認定されています。

 日本遺産に認定された構成文化財を巡るサイクリングマップが、アプリでもご覧いただけます。アプリをダウンロードすれば、スマートフォンのマップ上で現在位置を確認しながらご利用いただけます。サイクリングを楽しむ方だけではなく、ウォーキングやドライブの際にも楽しく活用できます。

 アプリ版には、日本遺産だけでなく、宇治茶や地域の新鮮な食材をいかした地元グルメや日本遺産以外の観光スポット情報も盛りだくさんですので、ご自宅でお過ごしの時間、情報を見ながら観光の計画を立ててみることや、想像を膨らませておでかけ気分を味わってみるのも良いのではないでしょうか。

「App Store」又は「Google Play」から「ambula map」をダウンロード(無料)してぜひお試しください。

【App Store(アプリ対応端末:iOS version 11.0以上)】
 
 https://apps.apple.com/jp/app/ambula-map/id1414687941

【Google Play(アプリ対応端末:Android OS version 6.0以上)】
 
 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.cogito.salus.map

○サイクリングマップの詳細についてはコチラ!をご覧ください。

【お問い合わせ先】
京都府山城広域振興局農林商工部農商工連携・推進課
TEL 0774-21-2103  FAX 0774-22-8865

【4】今回はトピックスとしてお茶の分類について紹介したいと思います!

(1)加工方法による分類(不発酵茶、半発酵茶、発酵茶)
 お茶は同じ茶の葉から製造されても、加工方法によって大きく不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の3つに分けられます。
 茶葉に含まれる酵素は茶葉中の成分を酸化させる働き(発酵)があり、その働きを止めて作られたものが、不発酵茶です。日本では蒸すという方法で酵素の働きを止めています。酵素の働きを止めたことで、製造しても葉が緑を保っているので、茶葉が持つ風味をそのまま感じることができます。これは一般によく知られる緑茶のことです。
 これに対して、酵素により茶葉を発酵させたものを発酵茶と言い、発酵の度合いに応じて半発酵茶、発酵茶となります。酵素による発酵が進むことで、茶葉の色が、緑色から茶色に変化します。半発酵茶で特に親しまれている烏龍茶は、茶葉を途中まで発酵させてから炒って発酵を止めた香りの高いお茶です。完全に発酵させた発酵茶として親しまれている紅茶は赤味がかかったオレンジ色で香り高い風味が特長です。

(2)栽培方法による分類(覆下園、露天園)
 不発酵茶の中では、栽培方法の違いでさらに2つに分けることができます。日光があたらないように覆いをした茶園(覆下園)で栽培される碾茶・抹茶、玉露、かぶせ茶と、覆いをしない茶園(露天園)で栽培される煎茶、川柳、ほうじ茶、玄米茶、京番茶があります。
 お茶は根の部分でテアニンと呼ばれるうまみ成分の物質がつくられますが、根から葉に移動した際に日光があたると、カテキンと呼ばれる渋み成分に変わります。覆下園では日光を遮ることで、テアニンからカテキンへの変化が少なくなり、渋みが少なく、うまみが多いお茶ができます。露天園ではテアニンがカテキンへ変化していくので、渋みも加わり、さわやかな味わいのお茶ができます。

○覆下園

葦簀よしず…ヨシの木の茎で編んだすだれ。
わら…稲や麦の茎をほしたもの。
寒冷紗かんれいしゃ…繊維で織り込まれた日よけ用の布。

○露天園

 お茶の分類についていかがでしたでしょうか。発酵の違い、覆いの有無の違いを感じながらお茶を味わってみてください。

コラム「茶の記憶」 第92回


 今月は、引き続き、京都芸術大学非常勤講師の橋本素子さんにコラムをご紹介いただきます。

 「宇治茶のエンドユーザーたち~頼山陽と御茶所「美濃部忠兵衛」」と題した連載の4回目です。

宇治茶のエンドユーザーたち~頼山陽と御茶所「美濃部忠兵衛」(4)~ 橋本素子

 前回は、頼山陽が宇治煎茶「一時雨」を購入した、京都の御茶所「美濃部忠兵衛」について見ました。今回は、その「美濃部忠兵衛」の顧客は京都に限られるものではなかったことを見ていきたいと思います。

 すなわち、すでに浅井潤子氏の研究で、江戸時代後期の美濃国高田(現岐阜県養老郡養老町)の地主・千秋家が、「美濃部忠兵衛」から宇治茶を購入していたことが明らかになっています。千秋家のひとたちは茶道を嗜みますが、ことに幕末期から大正期を生きた千秋笙峰は、茶の湯は京都の宗匠に習い、嘉永二年(1849)には自らが建立した茶室「三十六峰庵」において、上林三入の「祝の白」を用いた茶会を催した茶人でした。また煎茶も嗜み、慶応三年(1867)には、「美濃部忠兵衛」から、「一森」・「松之浪」・「若撰」・「喜撰」・「生喜撰」・「蟠龍」・「都之友」・「みとり」などを購入していたことがわかっています。(浅井潤子「農村文化と茶道―『千秋家文書』の整理を終えて―」,「史料館報」第25号 国立史料館 1976年10月、7頁)

 このうち、「生喜撰」は「上喜撰」あるいは「正喜撰」とも書き、嘉永6(1853)年6月ペリーが来航したときの有名な狂歌、「泰平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん) たった四はいで夜も寝られず」にもうたわれた宇治煎茶です。

 このように、江戸時代後期、地方の富裕層は、京都の「御茶所」=茶商から宇治茶を「お取り寄せ」をし、楽しんでいたのです。千秋家の「お取り寄せ」の具体的な方法は分かりませんが、一方の頼山陽は、尾道の豪商・橋本竹下への手紙の中で、京都の飛脚宿の「伊勢や」に依頼して、美濃部忠兵衛の「一時雨」とお菓子の「村雨」を「御取寄」するようにと書いています。このことから地方では、京都の飛脚=運送業者を通じて、「お取り寄せ」をして楽しむシステムが確立していたことがわかります。これは、現在でも同じですよね。

 この小文を書いている現在、いわゆるステイホームで「巣ごもり」状態にある筆者ですが、今年は宇治茶を「お取り寄せ」して楽しみたいと思います。皆様も今年は「お取り寄せ」で宇治茶を楽しみませんか。

本文ここまで
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 □ 発行日 : 2020年6月1日
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