2021年5月号(Vol.107)HTMLメール

宇治茶の郷メールマガジン
5月号(Vol.107)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。

本日5月1日は待ちに待った八十八夜。この日に摘んだお茶を飲むと1年間無病息災に過ごせると言われています。
今年の連休はおうちでのんびり、おいしい宇治茶をお楽しみください。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】宇治茶関連行事の中止の御案内
 【2】宇治茶のシーズンがやってきました!
 【3】令和3年度のオンライン宇治茶ムリエ講座がスタート!参加者募集中!
 【4】「宇治茶カフェ」新たに3店舗を認定しました。

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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第103回 橋本素子さん
  中世の史料に見る茶の効能(3)室町時代
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トピックス
【1】宇治茶関連行事の中止の御案内

《開催を予定しておりました次の行事は京都府が新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の実施区域となったことを受け、中止となりましたのでお知らせします。》

◇「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」
当初開催予定日:令和3年5月1日(土) 会場:宇治茶会館

※4月25日から緊急事態宣言が発令されましたが、新茶の季節を告げる情報を発信する予定です。

【2】宇治茶のシーズンがやってきました!

 宇治茶の産地では一番茶のお茶摘みは、萌芽から約1か月後のちょうど、八十八夜※(本年は5月1日)頃に始まります。この一番茶は冬の寒さに耐え、特にうまみをたくわえており、この時期でしか味わえません。ぜひ一番茶=新茶を味わってください。
※八十八夜:立春から数えて八十八日目

[参考]
・農家さんが丹精込めて管理してきた茶園で、冬の寒さに耐えてきたお茶の芽は、京都府南部では例年4月上旬になると力強く芽吹いてきます。これを一番茶の萌芽といいます。
・令和3年度は平年より3日早い4月2日(金)に京都府茶業研究所が一番茶の萌芽を宣言し、一番茶シーズンの訪れを告げました。

【3】令和3年度のオンライン宇治茶ムリエ講座がスタート!参加者募集中!


 宇治茶のおいしい淹れ方や歴史・文化等を学べる「宇治茶ムリエ講座」について、今年度もオンラインで平日や土曜日に実施します。

 宇治茶の歴史やお茶の種類、生産状況等が学べる座学(15分)と宇治玉露の淹れ方を学べる実習(45分)の1時間の講座です。実習で使用する玉露は事前にお送りいたします。おうちでゆっくり本格的な宇治茶をあじわいませんか。

 インターネットに繋がったパソコン、タブレット端末、スマートフォンを使って、ご家庭からオンラインアプリZoomを使用してオンラインで参加いただきます。
 申込みはコチラのページにある「お申込みリンク先」から!!

みなさまのお申込みをお待ちしております!

【日程】
(1)5月28日(金)
  (第1部)10:00~11:00 (第2部)12:00~13:00
(2)6月24日(木) 
  (第1部)10:00~11:00 (第2部)12:00~13:00

【参加費】無料

【定員】第1部、第2部ともに20名(先着順)

【申込締切】(1)5月18日(火)まで (2)6月14日(月)まで

※すでに「宇治茶ムリエ講座」を受講された方で、同一茶種の講座の再受講は御遠慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。

【4】「宇治茶カフェ」新たに3店舗を認定しました。


 宇治茶の魅力発信・消費拡大を目的に、3種類以上の高品質な宇治茶を味わうことができ、宇治茶の歴史や文化、淹れ方等の説明を受けることができる「宇治茶カフェ」に、新たに次のとおり、3店舗が仲間入りしました。

 新規認定店は、書類審査と現地審査を行い、メニューの内容やお店の雰囲気等を審査した上で、「宇治茶カフェ」の認定基準を満たしているか審査を行い、決定されます。店内には、「宇治茶カフェ」の証としての認定盾が飾られています。

 今回の新規認定で、現在「宇治茶カフェ」は43店舗となりました。
 コロナ渦ではありますが、新規認定店を訪れていただくとともに、他の店舗とも合わせて、「宇治茶カフェ」巡りを楽しんでいただき、宇治茶や宇治茶スイーツを十分に味わってください。

【新規認定店舗】
(1)抹茶共和国 宇治本店
   所在地:宇治市宇治妙楽26-2
(2)茶菓 えん寿
   所在地:京都市右京区太秦多藪町14-93 1階
(3)日本茶茶房 茶三楽
   所在地:京都市右京区嵯峨天龍寺造路町7

※新規認定店の詳細情報はコチラへ。
※新型コロナウイルスを含む感染症の感染防止対策として営業内容に変更が生じる場合がございますので、各認定店の公式サイトやSNSなどで最新情報を確認してください。

コラム「茶の記憶」第103回

橋本素子さん

 今月も引き続き、京都芸術大学非常勤講師の橋本素子さんにコラムをご紹介いただきます。

 「中世の史料に見る茶の効能」と題した連載です。

「中世の史料に見る茶の効能(3)室町時代」 橋本素子

 第三回目は、室町時代です。

 皆様は、「茶の十徳」をご存じでしょうか。これは茶の効能を10列挙したもので、諸仏加護、五臓調和、孝養父母、煩悩消除、寿命長遠、睡眠自除、息災延命、天神随身、諸天加護、臨終不乱となります。また明恵が芦屋釜にこの「茶の十徳」を鋳付けたという伝承もあります。江戸時代の「茶の十徳」については、石塚修氏の詳細な論文がありますので、そちらをご覧ください。(「茶の十徳も一度に皆」、『文藝言語研究 文藝篇』2000年)

 この「茶の十徳」が最初に登場するのが、応永年間(1394~1428)成立の『禅林小歌』です。これは、浄土宗の僧了誉聖冏(しょうけい)が書いた戯文です。すなわち、

然りと雖(いえど)も茶に十徳有り。〈一に諸仏の加護、二に五臓調和、三に煩悩自在、四に寿命長遠、五に睡眠自在、六に孝養父母、七に息災延命、八に天魔怖畏、九に諸天加護、十に臨終不乱。〉

とあります。細かく見ると、『禅林小歌』の「茶の十徳」は、後に伝えられるところの「茶の十徳」とは、少し異なるところがありますね。

 そのうち、息災延命、諸仏加護、諸天加護等は、平安時代に唐風喫茶文化が伝来されて以来、寺院で茶が供えられた理由に繋がります。特に、院政期に密教が流行して以来、盛んに行われた法会に「北斗供」(ほくとく)があります。「北斗供」は北斗七星を祀り、息災延命等を祈願の目的とし、そこでは茶が供えられます。茶を供える理由は、茶が仙薬=不老不死の薬であり、法会の目的と一致するためです。今でも節分に寺院で行われる法会です。

 そして、五臓調和、煩悩自在、寿命長遠、睡眠自在、息災延命等は、宋風喫茶文化である栄西の『喫茶養生記』で紹介された、北宋の『太平御覧』に見る茶の効能と重複するものです。

 つまり「茶の十徳」は、寺院を窓口にして日本に輸入された、唐代と宋代の茶の効能に関する知識をベースにして日本で考案されたもの、といえるのではないでしょうか。

本文ここまで
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 □ 発行日 : 2021年5月1日
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