テキストメール(Vol.105)


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      宇治茶の郷メールマガジン3月号(Vol.105)
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 こんにちは、宇治 茶太郎さん。

 立春は過ぎてもまだまだ寒い日が続いています。
 うがい&手洗いと栄養のある食事、そして宇治茶で
 風邪なんか吹き飛ばして元気に過ごしましょう!



≪ 目次 ≫

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】宇治茶ファンミーティング「宇治茶LOVE茶会2021」を
    開催しました!
 【2】親子で宇治茶レンジを開催しました。
 【3】令和2年度の「宇治茶ムリエ講座」参加者募集は終了しました。
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第101回 橋本素子さん
  中世の史料に見る茶の効能(1)鎌倉前期 栄西と実朝
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≪ 本文 ≫


★☆━ トピックス   ━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━☆★
 
 【1】宇治茶ファンミーティング「宇治茶LOVE茶会2021」を
    開催しました!
 
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 2月6日(土)に、宇治茶世界文化遺産登録推進の取組の一つとして、
 世界遺産候補地である“日本緑茶発祥の地”宇治田原町において、
 「宇治茶LOVE茶会2021」を開催しました。

 今回は、新型コロナ感染予防のため、
 オンラインで配信会場と
 全国各地50名の宇治茶ファンをつないで交流しながら、
 地域の宝である宇治茶をはじめとした
 宇治田原町の雰囲気や魅力を感じ、楽しめる内容で、
 宇治茶の魅力を再発見するとともに、
 世界文化遺産登録に向けた取組を知っていただく
 絶好の機会となりました。

 第1部では、
 世界文化遺産登録に向けた取組や宇治田原町の紹介の後、
 宇治田原茶業青年会主催による
 宇治田原産のお茶3種の飲み比べが行われ、
 参加者は種類や淹れ方によって変化する香りや味の違いを
 楽しみました。

 第2部は、(1)宗円交遊庵やんたん、(2)宇治田原茶業青年会、
 (3)21お茶のふるさと塾、
 (4)宇治田原町茶名人の下岡館長の4コーナーに分かれ、
 それぞれ実演や映像を見ながら講師と交流を行いました。

 参加者からは
 「オンラインの参加でしたが、
 茶業界の皆さんやお茶のファンの人たちと一緒に
 顔を見ながら幸せな時間を過ごせて最高でした。」
 「あっという間の2時間でした。」
 「手摘み玉露の美味しさに驚愕しました。」などの声があり、
 大変好評でした。




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 【2】親子で宇治茶レンジを開催しました。
 
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 10月25日(日)、12月13日(日)、1月17日(日)に
 小学生とその保護者を対象として
 「親子で宇治茶レンジ」を開催しました。

 未来の宇治茶ファン拡大に向け、
 平成25年度から毎年開催してきた「キッズ茶ムリエ検定」にかえて、
 今年度は with コロナ社会への対応として、
 オンラインでの開催となり、109名が参加しました。

 宇治茶の知識を試す“子ども宇治茶検定”に茶レンジしたり、
 参加賞として事前に届けられた宝瓶急須や湯のみ、
 宇治玉露を用いて親子で玉露淹れに茶レンジしました。

 急須に湯を入れた際の茶葉が開いていく様子の観察や、
 一煎目、二煎目でお湯の温度を変えて味の違いを感じるなど、
 本格的な宇治玉露の淹れ方を教わりました。




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 【3】令和2年度の「宇治茶ムリエ講座」参加者募集は終了しました。
 
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 令和2年度の宇治茶ムリエ講座は参加者の募集も終了し、
 3月6日(土)実施で最終となります。
 たくさんの方に御参加いただき、誠にありがとうございました。

 令和3年度も引き続きオンラインでの開催を予定しております。

 日程や詳細が決まり次第掲載予定ですので、
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




■ コラム「茶の記憶」 第101回
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 今月からは、京都芸術大学非常勤講師の橋本素子さんに
 コラムをご紹介いただきます。
 「中世の史料に見る茶の効能」と題した連載となります。


 「中世の史料に見る茶の効能(1)鎌倉前期 栄西と実朝」 橋本素子

 今月から4回にわたり、
 中世の史料に見る茶の効能について見ていきます。
 初回は栄西と実朝をめぐる茶の効能です。
 栄西は『喫茶養生記』を書いたことで有名ですね。
 そして「茶は養生の仙薬にして、延齢の妙術なり」という書き出しも、
 あまりに有名です。
 しかし、このほかには、どのような効能が書かれているか、
 皆さんはご存じでしょうか。

 栄西が一番言いたかったことをまとめると、次のようになります。
 養生のためには、
 五臓(肝臓・肺臓・心臓・脾臓・腎臓)を大切にするべきである。
 特に五臓のうち、王(一番大切なところ)は心臓である。
 心臓には苦味が効く。
 苦味は茶にある。
 茶を飲んで心臓の働きをよくし、養生につとめよう、
 という論旨です。

 また、栄西は多くの中国の文献を引用し、
 茶の効能を紹介しています。
 その内容をまとめると、
 (1) 覚醒作用(2)口の渇きを止める(3)できものに効く
 (4)利尿作用(5)疫病除け(6)宿食解消(7)意欲増進
 (8)身が軽くなる(9)羽化する(羽が生える)(10)脚気に効く
 (11)五臓調和(12)かすみ目を解消(13)身体を冷却する
 (14)酔い覚まし、
 という効能が挙げられています。
 今日でも通用する効能から、そうではないものまでありますね。
 実は、この栄西が引用した文献のほとんどは、
 北宋の太宗の命で編纂された百科事典『太平御覧』の引用であることが、
 これまでの研究で分かっています。

 ところで、栄西が茶の効能を実際に試した場面があります。
 それが『吾妻鏡』建保二年(1214)二月四日条に見られる、
 鎌倉幕府三代将軍源実朝が二日酔いになった時です。
 その日栄西は、大倉御所に祈祷のため参上していました。
 そこで、当時住職を務めていた鎌倉寿福寺から、
 茶一盞と『喫茶養生記』の抄本一巻を取り寄せ、
 それを実朝に進上し、大変に喜ばれたとあります。
 見方を変えれば、栄西は、
 茶は飲みすぎに効くと書かれた『喫茶養生記』を差し上げ、
 実朝で臨床試験をした、と見るのは、言い過ぎでしょうか。


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 □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/
 □ 発行日 : 2021年3月1日
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